はじめての医事法 (First Step)

医事法研究者のみならず、法哲学者や看護学者なども加わって共同執筆されている。ですます調で書かれており、主に、民法の学習修了者の法学部生・法科大学院生が対象と思われるが、医事法の講義を聞いたことがあれば、看護学生・歯学部生・薬学部生など他学部生も読めると思う。ただ、一般の方は専門用語が結構出てくるのでしんどいかもしれない。書籍の内容を、概説すると以下の通り1、医療と法主に、医事法の体系などが書かれている2、患者の権利インフォームド・コンセントや患者の自己決定権、医療情報の第三者への開示の可否が書かれている3、医療従事者各種医療従事者のできる範囲と免許や業務に関することが書かれている4、医療施設・医療制度医療施設、医療法人、医療保険など医療の周辺部分に関することが書かれている5、薬事制度薬剤師の出来ること出来ないこと、医薬品や麻薬等の取扱い、薬害訴訟が書かれている6、医療情報患者に対する情報開示、それに伴う個人情報保護法に関すること等が書かれている7、生殖補助医療配偶者間の不妊治療制度や非配偶者間の不妊治療制度、代理出産等が書かれている8、人工妊娠中絶・出生前診断人工妊娠中絶、出生前診断とそれに対する問題点等が書かれている9、終末期医療終末期と患者の自己決定権、安楽死、延命治療の差控え・中止等が書かれている10、臓器移植死体からの臓器移植、臓器移植法の改正をめぐる議論、生体移植等が書かれている11、臨床試験・臨床研究医薬品の臨床試験の実施の基準や治験に関する法制度等が書かれている12、看護と介護看護師の出来ること出来ないこと、介護職の出来ること出来ないこと、看護・介護中の事故と法的責任等が書かれている13、医療訴訟刑事訴訟および医療と刑事司法等が書かれている14、医師の説明義務医師の説明義務の性質や内容、家族・近親者・遺族に対する説明義務、医師の説明義務違反と損害の範囲が書かれている15、医療安全医療安全と法律・政策、医療安全の実践や組織・仕組みが書かれている16、歯科医療歯科医業の出来ること出来ないこと、歯科診療施設と歯科技工士・歯科衛生士の出来ること出来ないこと、歯科医療と判例等が書かれている